
2001年ニューヨーク近代美術館「Workspheres」展参加、02年よりフリーランスでデザイン活動をはじめる。現在はメーカーへのデザインコンサルティングを行うほか、ライターとして『デザインの現場』『AXIS』など専門誌に執筆、「ジャパンデザインネット」「ライフスタイルネット.com」などにレポート記事を掲載している。
レポート・1 デザイナーの新作から
3日間があっという間に過ぎ、今年のインテリアライフスタイル展も盛況のうちに終了しました。31ヶ国から653出展者(国内419者、海外234者)は過去最高とのこと。当然ながらそれだけ製品数も多く、途中でめげそうになるのですが(!)じっくり見ていくと発見もたくさんあるものです。
若手デザイナーが自らプレゼンテーションするエリア「neON(ネオン)」に出展していた、ライスデザインの「食べられる食器」はアイデアが秀逸!乾パンで作った食器で、使用後は食べられるのでゴミを出さないという、〝使い捨て〟ではなく〝使い食べ〟。形も素朴で愛らしいです。ただエコを主張するよりも静かな魅力があります。

*ライスデザイン「食べられる食器」
同じく「neON」で、山田佳一朗氏が発表した「CALLA(カラー)」と「PERCH(パーチ)」は一見インテリアオブジェのようですが実は靴べら。花のカラーをそのまま模した形状は、柄にゆるやかなカーブがついていて力を入れやすく、小鳥が枝に止まる(perch)様子からつくられた形は台などのフチにひっかけられます。日常的に目が届く場所に置くためには機能だけではなく、こんな佇まいを求めたいものですよね。

*山田佳一朗「CALLA」「PERCH」
マイクロワークスの「Jump Out Mirror(ジャンプ・アウト・ミラー)」も「neON」にありました。壁掛け鏡から手鏡を取り外して使うことができます。手鏡部分はマグネットで止まっているので、簡単に着脱可能なところも動作がスムーズ。そういう気持ち良さもデザインのひとつだと思います。

*マイクロワークス「Jump Out Mirror」
さてこちらはデザイン界の巨匠、アンドレア・ブランズィ氏の花器「Tsukimi(ツキミ)」と時計「BOX(ボックス)」、富山のメーカー高田製作所のフィオリキアリブランドから。一輪挿しという日本の床の間文化と、西洋のセンターピースが合体したデザインです。フルーツを置くプレート部分は月面クレーターもイメージしているそう。一輪挿しの輪郭が風に揺れるススキに姿を重ねているところにも、〝お月見〟が表れているようです。
一方、「BOX」時計は表面にガラスを入れず、アルミを鏡面仕上げに磨いたフレームにシンメトリーな数字が映り込んでいます。時計の針は踏切の遮断機のように、時を分断しています。

*Andrea Branzi「BOX」「Tsukimi」
ベルギー、アントワープ近郊にあるヘンリー・ディーン社のガラス花器は、穏やかな色調とぽってりした存在感が魅力。世界中で人気です。花をいけないまま、花器だけでも絵になります!

*Henry Dean
デザイナー村田智明氏率いるMETAPHYS(メタフィス)の新作「susuki(ススキ)」は秋の枯野に揺れるススキをモチーフにした照明。200ミリ四方の台に5本のLED照明が立ち上がっていて、それぞれ1.8ミリ径のステンレスバネ鋼でしなやかに曲がります。先端はシリコンで覆われているのでやさしい光。ICプログラムによってほどよく光がチカチカ揺れる、生き物のようなランプです。

*METAPHIS「susuki」
デンマークのRiis社が母国の展示会で2006年に発表した全く新しい鍋、「BOIL(ボイル)」を日本で初めて紹介していました。なんとシリコン製!蓋もあるので、ケーキの型や保存容器としても使え、底に金属プレートを敷けばIH調理器で普通に料理ができるのです。揚げ物もOKで、オーブンレンジも問題ないそう。本体は柔らかいので水切りもしやすくとにかく便利だよ、とデザイナーのモルテン・リイス氏。4サイズに各4色、金属鍋ではむずかしい温かみのある色合いが会場でも人気の理由のひとつだったようです。

*Riis「BOIL」
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